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「ボロミア」
我に王など いない いらない
我まだ幼き頃城を抜け出した
月明かりが優しく照らす
我等が 白の木 と呼ぶこの木は
太陽の光を浴びる昼とは違った
月の光を浴びるその姿に
我は心を奪われる
月の光が照らす道は昼とは違った
静かに呼吸していたのを感じ
我の心は穏やかになる
太陽の光に照らされれば
子供になる心が
月明かりの下では
少しだけ大人になる
この世の異変に気付き
我馬を走らせ故郷を出る
二度と帰れぬと感じつつ
それでも我行かねばならぬ
今この地に王はいないのだから…
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