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しばらく車を走らせてから約30分経って峠を走っているところだろうか
運動会にはもってこい的な良い天気の中うっすらと霧がかかってきた
まぁ元々『霧の街』に住んでいた俺には慣れている
零児はそう思いながらスピードも変えずに走っていく
すると徐々に霧が濃くなり(それでも全然大丈夫な程)
「兄様ぁ~?なんか怖いょ…」
由美子が突然怯え始めた。
霧程度別にどうってことはないんだが…
白石は拓也を何故か兄様と呼ぶ
妹の友達だからか?
梶と海斗は騒いで疲れたのか爆睡している
「霧のかかり方が怪しくないか?」
拓也は不安そうに言う
濃い霧は更に濃くなり、もはや視界ゼロ。車のボンネットすら見えない状況
「あり得ないよな…」
俺と拓也は言葉を重ねる
一時的なものか、治まるまで路肩に車を止めて休む事にした
霧慣れしててもこれは流石に…
後続車にハザードが見えるかどうかも定かではない。
止めてから10分経ったころだろうか依然霧は治まらず…
「兄様何あれ?」
白石の指差す方向を見ると…
霧が…黒い?
「んな馬鹿な!?」
そうこう言ってるうちに瞬く間に黒い霧は広がり、車を景色を全てを飲み込んだ
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