第弐話~被害を受けた村々~

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ガラン…ガラン…… 「…………あっ、いけない。寝過ごしちゃったかな?」 炬燵で眠ってしまっていた依成は、鈴の音で目が覚める。 とりあえず様子を見に行くことにした。 「おぉ神様…儂らをお助けくだせぇ…」 「お願ぇしますだ…」 (お助け?何かあったのかしら…) 依成が向かうと、賽銭箱の前には近所の村人たちがいた。 「…皆さん、どうしました?」 「あぁ、ここいらの巫女さんだか?ちっと聞いておくれ」 依成は老人から話を聞いた。 どうやらこの老人たちの村が、昨日発生した妖怪に襲われたらしい。 「…妖怪に襲われた?」 「んだ。急に村にやってきて、家を荒らしてっただ!」 「可哀想に、そいつらに喰われちまった人も……」 「旦那はアタイを守って…くっ!」 妖怪はまだその村に居座っていて、今ここにいるだけが生き残った村人のようだ。 (ひどい!) 依成は驚愕した。 妖怪が山を降りてくる予想はしていたといえ、こんなに早いとは思っていなかった。 しかもとてもひどい悪さをしている話を聞き、依成は… 「…悪い妖怪を退治するのも、巫女の仕事ですッ!」 はて、どうしてこのような言葉が出たのか。 お祓いや神降ろしはしたことがあるものの、妖怪退治などは全く経験がない。当たり前のことである。 「み、巫女さん!やってくれるだか!?」 村人から歓声が上がった。 「あ…。み、皆さんは安全なここにしばらくいてください。あとは私たちがなんとかします!」 「おぉ、ありがたやありがたや…」 「旦那のカタキを討ってきてくれ!」 「ま、まかせてください!」 どうしてこうなった。 その場の雰囲気でもはやどうしようもなかったわけで。
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