7人が本棚に入れています
本棚に追加
「んっ…今の音…何?」
一方、慈乃谷神社…
布団に入っていた依成が、先ほどの轟音で目を覚ました。
「山の方から聞こえた。何かあったのかしら…」
この神社は御坂山を背にして、ふもとに建っている。落下地点からはかなり近いようだ。
「様子を見に行ってみよう」
依成は起き、着替える。
「…お姉ちゃん?」
寝ていた依颯が身体を起こした。
「あ、ごめんね依颯。起こしちゃった?」
「ううん、私もさっきの音で起きちゃったんだ。ねっ、私も行っていい?」
「ダメよ。何があるか分からないから、留守番してて」
「でも…お姉ちゃんだけでも心配だし」
妹に心配される姉もどうかと。やれやれとため息をつく依成。
「しょうがないわね。早く着替えて」
「うん!」
依颯も着替え、二人は山へと向かった。
…静まり返る寝室。
依颯の枕元で光る、二つの勾玉があった。
「…行っちゃったね」
「ああ。オイラたちはどうするんだ?」
「依颯殿が心配だから、ついてこうよ」
「そう言うと思っていたよ。そんじゃ行こうか!」
二つの勾玉はふわりと浮き上がり、ふすまの隙間から飛んでいった。
最初のコメントを投稿しよう!