第壱話~百鬼夜行~

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「って、そんな悠長なこと言ってる暇じゃなさそうだよ!」 白い方の勾玉が言う。 「この岩からとてつもない妖気が漏れ出してる!このままじゃ…あっ!」 岩に巻き付いていた太い注連縄が、いとも軽くほどけ始めた。 「嘘だろおい…ちょっとこれはマズいんじゃないか!?」 白と黒の勾玉が慌てて止めようとする。 「ここは私がッ!」 ───ついにこの時が来た─── 依成がお札を三枚ほど投げ付け、御経を唱え始めた。 「……………………………」 しかし、注連縄はするするとほどけていき、ついに全てがほどけ落ちてしまった。 「………ダメ、抑えきれない!」 ───もはや止められぬ─── 「い、岩が!」 注連縄がほどけた岩に、どんどんヒビが入ってくる。 「オイラたちには止められないか…!」 ───さぁ、我が時代の幕開けとしようぞ!─── …ついに岩は真っ二つに割れた。
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