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「って、そんな悠長なこと言ってる暇じゃなさそうだよ!」
白い方の勾玉が言う。
「この岩からとてつもない妖気が漏れ出してる!このままじゃ…あっ!」
岩に巻き付いていた太い注連縄が、いとも軽くほどけ始めた。
「嘘だろおい…ちょっとこれはマズいんじゃないか!?」
白と黒の勾玉が慌てて止めようとする。
「ここは私がッ!」
───ついにこの時が来た───
依成がお札を三枚ほど投げ付け、御経を唱え始めた。
「……………………………」
しかし、注連縄はするするとほどけていき、ついに全てがほどけ落ちてしまった。
「………ダメ、抑えきれない!」
───もはや止められぬ───
「い、岩が!」
注連縄がほどけた岩に、どんどんヒビが入ってくる。
「オイラたちには止められないか…!」
───さぁ、我が時代の幕開けとしようぞ!───
…ついに岩は真っ二つに割れた。
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