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――――……
「んで俊は女と寝ないわけ?って聞いてみたんだよ」
「おぉ。」
「そしたらさ、『そっそんな事恥ずかしいですよー!!』って言ってこごの背中に顔埋めちゃったんだよ!」
今俺はこいつの話を聞きながら歩いている。
正直な感想は
う る さ い
俺は何度も話し掛けようとするが…
「なぁ…「ん?今何か言った?何も言ってないよね?何も言ってないね。うん。何もないよね。」
こういって跳ね返される。
人の話聞かねぇし自己中心的。
…まさに総司。
彼の話の内容は日々の笑い話だ。
それには必ずと言って良い程ある四人が出てくる。
まずこいつの名らしい人物『稔麿』。
そして『俊』という仲の良い知り合いに『こご』と呼ばれる彼の父親的存在。
そしてあと一人は…
晋作という人物。
こいつは怪しい。もしや高杉と関連があるかもしれない。
なので俺は『土方歳三』と名乗らずに話を流し聞いている。
どうやら『晋作』は稔麿と深い友人のようだ。
ちょくちょく二人の思い出話が出てくる。
「あ…」
稔麿の動きがぴたりと止まった。
「どうした?」
ふと顔を見ると一つの茶屋を凄い顔で睨んでいる。
「あいつ…壬生狼だ。」
「壬生狼って…」
彼の視線の先を辿るとそこには店先で女と話している山南さんがいた。
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