90人が本棚に入れています
本棚に追加
暖かな春の陽気に包まれ、あちらこちらに桜の花が咲き、鳥のさえずりが聞こえる。
ここ内裏の藤壺の殿舎にも、のどかな時が流れている。
桜の枝の間に見え隠れする、小さな小鬼達を見慣れた様にボーッと見ている女房がいた。
名は桜と言い、内大臣藤原道長の娘「彰子(あきこ)」の入内(じゅだい)に付いて、出仕した。
小さな頃より、こういう妖(あやかし)をいつも見ているので、桜にとっては日常的な事なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!