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電車内は気が気でならなかった。もしも万が一、万が一にも死んでしまったら・・・
彼女を止められなかったと一生後悔することになる。
そんなもん背負って生きていけるほど俺は強くはありません。
次は新宿~新宿~
アナウンスが到着を告げる。
ハヤトは急いで電車を飛び出す。
人身事故の知らせが無いってことは・・・まだ大丈夫だ。
間に合った。
しかし辺りを見回しても彼女の姿はない。
悪戯?
え?
いやいやいや
無いってマジ。
それは無いって。
そしてベンチに目をやると彼女が座っていた。
ほらな。
やっぱり思い止まったんだな。
良かった良かった。
ん?
ハヤトは次見たものに驚嘆した。
彼女が黒い小瓶を手に持ち、今にも飲もうとしていた。
「おいおいおい!バカ速まんな!」
一気に彼女の元へと走りだし思いっきりそれを奪い取る。
「お前マジいい加減にしなさいよ本当!つか思うんだけど何故毎回新宿!?駆け付ける俺の身にもなったらどう?何故駅にこだわる!?しかも何で青酸カリ的な物なんだよ!?駅だったら電車だろーが!」
放っておくと永遠と突っ込み続けるであろう。
すると彼女が
「あの・・・それ青酸カリじゃなくて、オロナミンD何ですけど」
「ああん!?そんな苦し紛れの言い訳なんてお父さんには通じません!つか俺お父さん?これは青酸カリですぅ。それ以上でもそれ以下でもない!はいよく見て!ここに青酸カリ…って書いてあ…あら?」
パッケージにはデカデカと“オロナミンD"という文字。
「お前斬新だな…全く斬新だよ。すげえよ」
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