2~ヤクザの娘~

12/20
前へ
/180ページ
次へ
「それで?今度は何で死のうと思ったわけ?またほくろ?」 御好み焼きにがっつきながら問いかける。 「いいんです。もう、大分心も収まってきたし。もう忘れることにしました」 そう言うと笑顔でハヤトへ返す。 するとハヤトは食べている手を一瞬止め、また動かし始める。 「そうそう!それだよ!ほくろ女!嫌なことなんか忘れるに限るんだよ」 そういうと手を上げ店員を呼ぶ。 「生ビールの中ジョッキと軟骨の唐揚げ!あ、あんたは他になんか食べる?」 「あ、じゃあ私も中ジョッキで」 それを聞いた店員は注文を復唱し戻って行った。 ハヤトは嬉しそうに彼女を見つめる。 「まあこうして会ったのも何かの縁だ。これからも助けが欲しけりゃ手貸すぜ。俺これでも強えからよ」 自慢気にそう言うと水を飲み干す。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

473人が本棚に入れています
本棚に追加