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生ビールがテーブルに届き、とりあえず乾杯をする2人。
実に奇妙な関係である。
そしてハヤトが程よく酔っ払ってきたところで会計を済ませる。
辺りはすっかり暗くなり、新宿は夜の街へと移り変わって行く。
風俗の勧誘。
道端で嗚咽する中年。
街を練り歩くホスト。
客を見送るホステス。
夏美は見た目清楚という訳ではないが、ギャルでもない。
なのでハヤトは少し分からないでいた。
何故彼女はこの光景を見て平然としているのか?まさか家出少女?
そんな事を気にかけていると、夏美の足がピタリと止まる。
ハヤトは夏美を見るが、夏美は顔を強張らせ、立ち尽くしたままだった。
「おい!どした?置いてっちゃうぞ!ひゃはは!」
パリーン!
ガシャーン!
次の瞬間とある中華料理店の窓ガラスが割れ、何やら叫び声が聞こえてくる。
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