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「お父さん…」
まただ、まーたこの女とんでもねーこと言い出しやがった。
「おいおいおい!何処ですか!?お父さん何処ですか?向こう側にいるのかな?そんであのヤクザと立ち位置被っちゃったから、ええーと……」
もう頭の中はグチャグチャだ。
冗談じゃない!
ヤクザの娘!?
このときハヤトはなんとなく、夏美の自殺の原因の真意に辿り着いた気がした。
これ以上関われば絶対ろくな事にならない。もう今日限りでこの女とは縁を切ろう。
ハヤトはフッと何気なく夏美を見た。
夏美の悲しそうな目。
“やめて!”
そう言いたげな目。
実の父親が、他人を取り立てている。それに人を殴っている。
自分には想像を絶する思いなんだろう……
「チッ」
ハヤトは舌打ちをすると
「ちと待ってろ」
そう言うとハヤトは夏美の肩を叩きヤクザの方へ歩き出して行った。
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