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頭をボリボリ掻き、だるそうにしながら歩いて行く。
「yo yo大丈夫か俺? 自らピンチにpitch in どーせ食らうんだろーなパンチ」
平常心を保つため、ラップで気分を誤魔化すハヤト。
やけにヤクザまでの距離が遠く感じた。
一体自分は何をしているんだろうか?人様の家庭事情に首突っ込んで…
どうせ俺は偽善者なんだよ。
こんなことして何かを変えられんのかよ?アホか?
「おい、オッさん!」
声を張り上げるハヤト。
そしてそれに気付きこっちを見るヤクザ御一行様。
オツ…
完全にこの状況オツ。
全身から変な汗が吹き出る。
やっぱりこんなことするんじゃなかった。
相手は5人か。
「あのよーお父さん?やたら人を殴るもんじゃねえよ。なんつーかさースマートじゃねえよ。て思ったけどどう思いますか?」
突然の奇怪な問いに夏美の父は首を傾げていた。
そして
「おい、小僧。何だお前?」
はい来た。
この独特の凄みのある声。
しかしこの程度じゃハヤトは怯まない。
「なんつーかー、娘さんの前で人殴るとか、最低っしょ」
そう言うと顎で夏美を指す。
「おい、夏美何やってんだお前こんな所で?」
するとハヤトは間髪入れずに
「今は俺と話してるんだろうが。なあ?」
ハヤトも相変わらず凄みはあるが所詮高校生。
どう考えてもヤクザの大人には叶う訳もない。
「小僧、お前礼儀がなってねえよ」
すると3人のヤクザに囲まれるハヤト。
何この状況?
展開急過ぎるだろ!
やっぱりこんなことするんじゃなかった。
すると夏美が叫ぶ。
「やめてえ!お父さん!」
しかしハヤトは笑っていた。
「ひゃはははは!ヤクザとケンカだあ!!」
そしてハヤトは勢いよく3人の元へと飛びついて行った。
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