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忍者大好き十五歳…
忍者だと信じて疑わない鉄之助は、凄まじく興奮するのであった…
『-そんじゃあ…爺ちゃんの御言葉に甘えてっ…と』
ニヤニヤと笑みを浮かべながら地面にある村雨を拾い上げた…
目貫は紅く、艶のある黒い鞘、鉄之助は手に持った村雨をまじまじと眺める…
『-カッコイい~なっ🎶』
鉄之助は早速腰に村雨を帯刀し、喜んだ表情をしながら屯所へと続く道へ足を進めた…
そして…
先程突然姿を消した果心居士は、『上空から』屯所へ帰る鉄之助の後ろ姿を見つめる…
『……あの子が『今この時代』に生を受けたのも…宿命か…』
険しい表情で果心居士は呟き、霧の様にゆっくりと消えていった…
………………
…………
……
…屯所に帰って来た鉄之助は真っ直ぐ自分の部屋へと戻り、腰に帯刀していた村雨を畳の上に置いた-
『-あっ!!』
-と、同時に鉄之助はある事を思い出す…
最近買った書物『戦国無双伝五之巻』を読み忘れていたのだ…
『-忘れてた…良いところで終わったからな~…どうなるんだろ徳川家康…』
鉄之助は畳に寝そべり…時間を忘れてただひたすら戦国無双伝に没頭する…
………………
…………
……
『-うっ…ぐす…凄いな徳川家康…天下を取るまで……苦労したんだなぁ…』
鉄之助は感動し、涙を流しながら家康を賞賛していた…その時-
-フン…ワシが居たなら天下は家康ではなくワシの物だったものよな…
突然…何処からか声が聞こえた…しかし…もの凄く近い場所から…っ!!
『-ハハッ…何言ってんの…って…えっ…誰…?』
左右を見渡し、声の主を探す鉄之助だが…部屋には自分以外誰も存在しない…っ!!
…襖は閉まっている…誰も侵入した形跡は全く無い…っ!!
《-しかし…よく寝たものよ…》
『-……えっ……』
《-おい其処の小僧、ここは何処で…あるか?》
何と…寝そべった鉄之助の『目の前』にある…あの『村雨』が…何とも偉そうに喋ったのだっ!!!!!
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