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『-あ~ビックリした…沖田さんいきなり来るんだもん…おっちゃんの事バレたと思ったよ…』
《…………》
『-おっちゃん、どうしたの?』
《-ん…いや、気にするな…》
……………
………
…鉄之助の部屋から退室した沖田は、険しい表情で廊下を歩きながら近藤と土方との会話を思い出す…
『-…………』
-ヤツらがワザワザ来るっつう事は…とんでも無い事が起こっちまった…って事か…
-…今から三日前、江戸の村正寺が襲撃を受け、僧兵はおろか一般の僧まで殺され、逃げ延びた僧はほんの僅か…
-なっ…!!…誰がやったんだよっ!!?
-一人は後ろ髪をくくった女のような顔の少年…そして後もう一人は…征夷大将軍直轄退魔隠密廻の…宮本キョウガ…
-…バカなっ…キョウガが裏切っただとっ?!!…何でアイツがっ!!?
-理由は分からん…そして奴は村正の封印を解いた…
-……最悪じゃねぇか!!アレには玉面のガキが封じ込めてあるんだろうがっ!!
-…兎に角、我々は明日二人の到着を待つとしよう…
……………………
三日前…四月六日…
…江戸
村正寺…
『-よいか…皆の者っ!!もはや我等が最後の砦っ!!何としても死守せよっ!!決してこの奥へは入れてはならぬぞぉおっ!!』
…僧兵長は叫び、僧兵達を鼓舞するも…最早僧兵達の士気は無に等しかった
…
それもその筈…
当初二百人程いた僧兵達はたった二人の少年の手により、『生きて』いる僧兵は三十人以下となっていたのだっ!!
『-あ~ぁ…諦めワルいなぁ…『いつの時代』の『人間』もさぁあぁ…『昔』もこんな奴らよくいたっけ…なぁ?🎶』
返り血をふんだんに浴びた女顔の少年が、薄ら笑いを浮かべながら血の付いた刃をペロリと妖しく舐める…
『-…フン、貴様も『元は人間』だろうが、『トキサダ』…』
銀髪の逆立った髪型と、蒼い目をした少年は眉間にシワを寄せながらトキサダに言う…
『-まぁ…そうだけどね…けど『今の体』が一番気に入ってるよ…老けないしさぁ🎶キョウガも妖弧に転生すればずぅ~っと若いままだよっ🎶』
『-下らん…俺はそんなモノに興味はない…俺が求めるのは…『力』だけだ…』
『-えへっ…『力』…ねぇ…良いんじゃない?…まぁ『白緑』(びゃくろく)ならきっとキョウガを素敵な素敵な妖弧に転生させてくれるよ🎶』
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