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そう言ってトキサダは小走りしながらキョウガについて行く…
そして…
キョウガとトキサダは、村正が封印されている寺の最奥へと辿り着く…
『-これか…』
村正の鞘には無数の札が貼り付けられていた…
『-白緑~っ…今すぐこの鬱陶しい札を剥がしてっ…』
-ガシッ!!
突然、村正に触れようとしたトキサダの腕をキョウガが掴んだ…
『-触るな』
いきなり腕を強く掴まれたトキサダはキョウガを睨む…
『-何のマネ…まさか……』
『-お前はもう妖怪だろう…この札は貴様等妖怪専用の退魔札…人間の俺には害はないが、お前が触ればその体、只では済まないぞ?』
『-へ~…そうなんだ…アリガトねキョウガ…いきなり腕を掴んできたからてっきり…』
『-…何だ?』
トキサダが何を言っているのか解らないキョウガは、眉間にシワを寄せながら言う…
すると、トキサダは体を巧みにくねらせ…恥じらい気味に答えた…
『-…可愛いくて美しいボクをここで襲うのかとおもっ-』
-ジャキンッ!!
キョウガは尋常ではない速さで抜刀し、トキサダの首目掛けて刀を寸止めした…
『-止めろ、それ以上喋ると首が飛ぶぞ』
鬼の如き形相でトキサダを睨み付けるキョウガ…
『-冗談だよキョウガ~…そんなに怒らないで🎶』
笑顔で許しを請うトキサダに、キョウガは渋々太刀を収める…
『-フン…止めない方が良かったな』
キョウガは村正を手に持ち…鞘に貼り付けられていた退魔札を全て剥がし、村正を鞘から引き抜く…
すると、今度は刀身にも五亡星の札が貼られていた…
『-この札を剥がせば…』
-ビリッ…
そう呟きながらキョウガが五亡星の札を剥がしたその瞬間…
『-っ!!?』
-ゴォオォオッ!!
村正から『白色の妖気』が溢れんばかりに流れ…
-ゴゴゴゴゴゴッ!!
同時に…寺全体が激しく揺れ動くっ!!
【-この妖気っ…今まで俺が仕留めてきた妖怪共とはまるで別格の物っ…これが伝説の大妖怪、玉面九尾の子供かっ…!!】
キョウガは心の中で白緑の持つ力にただ驚愕するしかない…っ!!
『-うわ~🎶久しぶりだよ白緑のこの妖気っ!!何百年振りだろっ!!🎶』
白緑の凄まじい妖気を久々に感じてトキサダはキャハキャハと大喜びする…
…村正が白く光り輝き、そこから白色の人魂が現れ鳥の様に宙に飛び回り床に落下したっ!!
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