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そして床に落下した大きな人魂の光が薄れていくと共に、少しずつゆっくりと人の形となっていく…っ!!
『-…っ!!コイツが…あの玉面の子供…『白緑』か…っ!!』
キョウガは白緑の姿を見て思わず後ずさる…っ!!
銀の髪に銀の瞳、人とは思えぬ白い肌、妖しい切れ長の眼をした少年…いや、『妖弧』が目の前に立っていた…っ!!
『-君だよね?ボクを助けてくれたのは…ありがとう…ずっと永い間…村正の中で閉じ込められていたんだ…』
妖弧白緑はそう言いながら、ゆっくりとキョウガに歩み寄ろうとしたその時-
『-白緑ぅ~~っ!!🎶』
突然、トキサダが白緑に抱き付いた…
『-トキサダ…久しぶりだね…いい子にしていたかい…?』
白緑は笑みを浮かべ、トキサダの頭を優しく撫でる…
『-うん…ずっと…白緑を助けたかった…けどボク一人じゃどうしようもなくて…キョウガに手伝ってもらったんだ…』
トキサダは両目から涙を流しながら説明する…
そしてそれを聞いた白緑は、視線をキョウガに移す…
『-君は…何故ボクを助けようとしたの?』
『-…俺を『妖弧』に転生させろ』
『-へぇ…ボクの仲間になりたいんだ…分かったよ…けど、『一度妖弧に転生すれば二度と人間には戻れない』…それでもいいの…?』
『-覚悟の上だ…』
『-フフ…トキサダ…『準備』をするから離れて…』
トキサダはコクリと頷いて白緑から離れた…
そして白緑は手の親指の先を噛み切り、親指の先から血が溢れる…
『-ボクの血を飲めば…君は妖弧へと転生する…さぁ…飲んでキョウガ』
白緑は手をキョウガの顔に差し出す…
『-待て白緑…血を飲む前に、一つ聞きたいことがある』
『…何…キョウガ?』
『-俺が妖弧に転生すれば…トキサダの様になるのか?』
『…性格は変わらないよ?…ハハ…トキサダは元々あんな子なんだ…心配ないよ…アハハっ!!』
『-フン…なら問題ない』
『-何さキョウガ、ボクのどこがイヤなんだよ~🎶チェっ…』
キョウガの言葉にふてくされるトキサダに対し…
『-大問題だ』
と、ハッキリ答えるキョウガ…
『-さ…飲んでキョウガ…』
キョウガが白緑の血を飲んだその瞬間…
心臓の音が頭に響き、身体中が火傷した様に痛み出すっ!!
『-なっ…ぐ…ヴぅ…ぐぉオァアアぁあァっ!!』
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