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屏風から一番左側の上空には、金色に輝く『龍』と『馬』を混ざり合わせた様な、麒麟の如き馬に跨り…
あの土方歳三が着ていた西洋式の黒衣と『全く同じ物』を身に纏って蒼天を駆ける少年が描かれていたのだ…
そしてその後ろには…狩衣を着た大勢の陰陽師らしき者達が、鳳凰のような霊鳥に跨り後に続いている…
だが…
驚くべきはそれだけでは無い…
陸上では幕府軍の旗を掲げた幕府軍兵士と謎の僧兵部隊…
伊賀忍と思われる忍者集団…
そして、何故か敵対している新政府軍の兵士達までもが共に『何かに向かって』突撃しているように描かれていた…
『－りっ…理解出来ないでしょう教授…っ!!?…何故っ…幕府軍と新政府軍が一緒にっ!!?それとっ…この空に浮かんでる連中っ…一体っ!?』
『－たっ…確かに…理解出来ないっ…これは…これは本当に…幕末に作られた物なのか!?…
…一体誰がこれをっ…そしてっ…この土方歳三と同じ西洋服を着た少年はっ…何者なんだっ!!?』
『－あのっ…教授…じ、実は…まだ見せたい物があるんです…っ!!』
そう言って川田が驚愕の表情で永倉教授を見つめる……
『－なっ…まっ…まだあるのかねっ!!?』
『－はっ…はいっ!!…この屏風のっ…裏に表の絵の続きと思われる絵が…!!』
『－うっ…裏に何が描かれているのかね…っ!!?』
『－裏に描かれているのは恐らくっ…『表に描かれた絵の先にある物』…つまり、『彼等が立ち向かおうとしている相手』と思われますっ…っ!!
それは…教授の目で…お確かめ下さい…っ!!』
『－…わっ…分かった…っ!!』
永倉教授は興奮しながらも…恐る恐る屏風の裏に回る…
そして…っ!!
『－っ!!?!?……………………………………』
…永倉教授は裏に描かれた絵を見た瞬間、全身を震わせながら両膝を床に着き…頭の中が真っ白になって放心状態に陥った…
…こっ…
…これがっ……
…彼等のっ………
…敵だと言うのかっ…!!!!?!!?
－村雨の鉄 幕末妖刀伝
開幕セリ
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