序章第一話それぞれの意志と宿命

1/14
前へ
/893ページ
次へ

序章第一話それぞれの意志と宿命

…西暦1867年 4月9日… …京都 新撰組屯所 西本願寺 稽古道場… 『-オラァッ!!へばってんじゃねぇぞ茶ボウズっ!!』 左の頬に刀傷、右目に眼帯をした隻眼の青年の声が稽古道場に響いた… 『-この程度の稽古でへばってる位じゃあ…長州のヤツら一匹斬れやしねぇぜ…』 眼帯の青年は呆れた表情をしながら、目前に倒れている少年に向かって言う… 『-それじゃあ何時まで経っても…トシのお茶入れ隊士で人生終わっちまうなぁ…』 『-~…っ…!!』 それを聞いた傷だらけの少年は…何事も無かったかの様に素早く立ち上がった… 『-そんなワケないでしょ…?…沖田さん…』 少年は口から出ている血を左手で拭った後、両手で木刀をギュッと力強く握り締め…構える… 『-そんな人生まっぴら御免です…そんな人生送るくらいなら、ここで沖田さんに殺された方がマシですよ…新撰組の誰よりも、沖田さんよりも強くなって…新撰組で一番の…大剣豪に俺は成るんですっ!!』 新撰組隊士…沖田曰わく茶ボウズこと市村鉄之助は、不敵な笑みを浮かべながら言い放った… -村雨の鉄 『-フーン…で?』 それを聞いた沖田は、楽しそうな笑みを浮かべながら言った… …すると、鉄之助も二カッと笑みを浮かべ…大きな声で沖田に返す… 『-もう一稽古…御願いしますっ!!!!!!』 -幕末妖刀伝 『-お~し、よく言ったぜ茶ボウズ…オラ、かかってこい!!』 鉄之助は木刀を構え、鋭い眼光で沖田を睨みながら沖田の間合いに入ろうとしたその時- 『-と…言いてぇ所なんだが…』 『-!?』 沖田が発した言葉に、鉄之助は驚いて立ち止まった… 『-稽古はもう終わりだ…付いてこい茶ボウズ』 そう言って沖田は振り返り、道場の入口まで歩き出した… 『-えっ…ちょっ…付いて来いって…何処行くんですか?』 困惑する鉄之助に沖田が答える… 『-トシとコンさんに稽古が一通り終わったら、お前を連れてこいって言われてたんでな…』 作-宇谷尋壬image=476134853.jpg
/893ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1493人が本棚に入れています
本棚に追加