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『-本日をもってお前に隊服を与え、外出時の太刀及び脇差の…帯刀を許可する』
『-……っ!!?』
…鉄之助は素早く俯いていた顔を上げ、思わず自分の耳を疑う…っ!!
『-え…あのっ…それって…』
一人慌てる鉄之助に、近藤と沖田は顔を見合って微笑む…
『-それって…もしかして…っ!!?』
鉄之助は興奮気味に言って目を輝かせ、土方に顔を向ける…っ!!
『-明日…沖田壱番隊と行動を共にするとして…お前に巡回の任を与える…以上だ』
『-いゃったぁあぁあああぁあぁあっ!!』
意外過ぎる土方の言葉に…鉄之助は勢い良く立ち上がり、喜び叫んだっ!!
『-い…いきなり叫んでんじゃねぇこのバカがっ!!びっくりするだろうがぁっ!!』
鉄之助の大絶叫に驚いて怒る沖田に対し…
『-まぁ良いじゃないか総司…ハッハッハ』
苦笑いしながら沖田をなだめる近藤…
『-太刀と脇差は私の和泉守兼定とほ…』
と、土方が言ったその瞬間…
『-今から刀買って来まぁすっ!!』
最早明日の事しか頭に無い鉄之助は、笑顔で戸を開け疾風の如く廊下を駆け抜けていった…
『-……っ…』
開いた口が塞がらない土方…
『-ククっ…オメ~の刀なんかイラネーってよトシちゃんっ!!』
土方の肩をポンポンと叩き、イヤらしい笑みを浮かべる沖田…
『-こ…コラ総司…やめないかっ!!』
沖田のふざけた態度と口調に近藤は思わず叱る…
そして、沖田の言葉に土方は言い返した…
『…フン…大体お前も鉄之助が仕事を疎かにしていたのを知っていながら稽古など…甘いのだお前は』
土方の言葉に、今度は沖田が笑いながら答える…
『-甘いのは…お互い様だろ~がよっ…』
と、沖田が笑みを浮かべながら言った瞬間、突然その表情が険しくなった…
『-さて、茶ボウズも行っちまった事だし…『俺に』する話…聞かせてくれよお二人さん』
『『-っ!!』』
沖田の言葉に思わず二人の表情も変わる…
そして土方が口火を切った…
『-明日…ここに客が来る』
『-客…誰だよ?』
『-お前も知っているだろう…征夷大将軍直轄、退魔隠密廻『朧』の…土御門『晴明』晴雄と宮本リュウキ…』
沖田が少し驚いた表情をしながらタバコを吹かす…
『-へぇ~二天一流使いのガキと陰陽師のガキか…アイツ等がワザワザ来るって事は…』
…三人が話し合うその頃…鉄之助は-
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