第4話 師範

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昨日卒業式を終えた俺は今日から春休み。 高校は市内に有る県立高校に通う事が決定しているので、入学式迄特にすべき事も無い。 「取り敢えず、空腹を満たすとしましょうかね?」 誰に言うとでも無く独り言を呟きながらキッチンを覗いた。 「おフクロ~さん?」 (あれ?…気配が無い?) 日々の鍛錬の甲斐有ってか、俺には半径25mの人の気配が既に察知出来る迄になっていた。 別に豪邸に住んでる訳じゃ無い。 気配が無いという事は出掛けたのだろう。 案の定、キッチンのテーブルの上には置き手紙が有った。 (ナニナニ?) “愛するターちゃんへ 捜さないで下さい。 貴方のママより” ……………………。 (なるほど、分かった。 遠慮無くそうさせて貰おう)            
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