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意識などしていなかった。
気がつくと体が動いていたというやつだ。
次の瞬間には俺のトンファーが師範代の喉仏の直前で止まっていた…
「……………フッ」
師範代が鬼の形相から微笑みに変わると同時に槍を立てた。
検技終了の合図。
「フッ…フッ…ゼッ…ゼェッ…」
その瞬間、俺は膝から崩れ落ちた。
「拓…見事だったぞ…」
「…ゼッ…ゼッ…あり…がとう…ごさい…ましたっ…」
息ひとつ乱さずに告げる師範代に対し、俺は酸欠寸前だった。
(どっちが勝ったんだか分かりゃしねぇ…。
つか、全く勝った気がしねぇ)
やっぱ師範代はバケ者だわ。
「ふぅ~~~っ」
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