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―兵士視点、とある戦場―
死体
「はあ、はあ、はぁ」
死体、死人死に体……
「くそ………畜生……」
死人死に体死骸死に顔死に際死に損ない死に様死に目死活死去死後死者死屍死出死中死肉死別死………
「く……そぉ! 何が………何がどうなっているんだ!」
兵士として十年以上のキャリアを誇る職業軍人をしてきた男が悪態をつく
周りの死体は全て友か同僚か先輩か後輩
そして、惨劇としか言いようがないこの光景を作り出したのは、たった一人の‘化け物’だった
「ッ!!!」
左から視線を感じ、咄嗟に銃口をそっちにむける向ける
「出てこい………化け物!」
ここからでは視認出来ない
たがら兵士は叫ぶ。精一杯の虚勢を張りながら
「化け物とは失敬な! 私は人間ですよー。一応」
真っ白い髪の人間が兵士の死角になっていた場所から陽気な声を出しながら出て来た
化け物と呼ばれた男の出で立ちは特に特筆すべき点はない
だからだから異常、だからこその異常
死屍累々の中で、屈託ない笑顔
返り血の染み込んだシャツにジーパンを着こなして、白かったはずの髪を紅くして、それでも‘特筆すべき点がない’と思わせてしまう……それが異常
そしてさらに異常と言わせる要因がもう一つ
人の身長程もある、魔法の杖としか言い表せないものを持っている事だ
「あんたなかなか粘るな~、こっちにつかない?これから来る新世界で、少しはいい目見られるかもよ」
笑いながら、へらへらしながら、神経を逆なでする様な声で言った
「ふざけるな………」
パンッ
渇いた音がしたと思ったら、軍人の姿は‘半分’消えていた
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