《始まり》

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―???― 半分になった男がぐちゃりと音を立てて崩れる 「じゃ、いいや。別に」 かわらない、全く変わらない声質 感情がこもっているのかいないのか、人をこの世から消しておいてそれで尚も起伏の無い声で喋る 「あ~あ、やっちゃったな~、これで少しは世界が楽しくなればいーな~」 今消えた軍人の事などもう眼中にないように。今、世界がどうなっているかもどうでもいいように。世界は自分を中心に回っているかのように 呟く 「ん?」 男の回りが突然騒がしくなった それはそうだろう。何百人もの武装した兵士が男を取り囲んだからだ。彼らは口々に男を罵りながら、銃口を向ける 「………まぁ」 男はそれでも何も気にしない。それでも尚、何一つ変化しない。銃弾が発射され、男に届く瞬間に 「また壊せばいっか♪」 男は笑った。それだけで全ては終わった。これまでの世界は終結した 「さぁ、始めよう。この物語を」 男は笑う、嗤う。これから来る新世界を愛でながら 自分で壊した世界を愛でながら 何もかもを壊した何者でもない男はそれだけが楽しい事で有るかの様に、愉快そうにワラっていた
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