《入学式》

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「うわ なんつーか……すげー」 魔法の存在がばれて五十年 魔法は便利だ それでも魔法で洗濯をするより洗濯機を使う方が便利だし、物を温めるのは電子レンジを使うほうが楽だ だが目の前の光景は軽く俺の常識を超えていた 「おとぎの国に来たみたいだ」 「乙女みてーな感想だな」 「…………………よし、輪廻。くたばれ」 目の前の友人Aの顔面を鷲掴みにして持ち上げる 「あぎゃああぁあぁぁああ!!」 「てめえ、俺の事を女みたいとか言ったらぶっ飛ばすって言ったよな? 忘れてましたか鶏頭?」 掴んだ頭からミシミシッなんて音がするが気にしない むしろ愉快だ 「は、離せ……砕…ける……」 コイツ、息も絶え絶えに成ってきた。さすがに離してやらんと死ぬか? 「しゃあない、離してやる」 そう言いながら、輪廻を‘振りかぶる’ 「ま、待て!! 手を離すだけでいいんだ!! 投げる必要性は……」 「くたばれぇええええ!!」 そのまま振りかぶった輪廻を学校の塀に投げつけた ドクシャッ!! なんて普通に生活していたら聞くことはまずない音が辺りに響き渡る コンクリートの塀に、何やら無気味なモニュメントが生えてしまった 「………………しまった、入学初日から学校壊しちまった」 「そっちの心配かああぁああぁあ!!」 なんと、突然モニュメントが動き出した!! 「動き出した、ビックリビックリ。じゃねぇよ!! テメェは俺を殺す気か!!」 「俺はお前に何をしたって死なないって信じてるぜ」 「うるせぇよ!!」 全力でキレた顔で言われた 「見ろ!! 周りの全員、引いてるじゃねえか」 「それが俺のせいだっつった瞬間、全面戦争開始だから……………? ……おい、スバル。その引いてるはずの周りってのはどこにいる?」 「へ?」 辺りをグルッと見渡した …………いつの間にか誰もいなくなっている 「…………今何時?」 「8時58分」 「入学式………何時からだっけ」 「……………9時」 「「…………………」」 しばし沈黙 「「お前のせいだぁあああ!!」」 二人で罪をなすりつけ合ながら、入学式が行われる講堂へ走った
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