《入学式》

6/23
前へ
/507ページ
次へ
「少しの間静かにしてろバカ!! 次騒いだら鼻骨(びこつ)砕く」 「今の威力だと、普通は折れてるけどな……」 輪廻は鼻を押さえて言った それを無視して今笑った奴を見てみる そいつは何事もなかったかの様に前を向いていた 「…………ま、いっか」 可愛らしい女の子だなー、とか思っていたら、いつの間にか始業式は進んでいた 「次は校長先生の挨拶です」 司会をやっている教師のセリフ それと共に舞台の袖からいかにも魔法学校の校長って感じの白髪、長髪、超ヒゲのお爺さんが出て来た お爺さんは舞台の中心にあるマイクを……………………通り過ぎた (あれ、校長先生どうしたんだ?) (あ、あー…………あいつは多分教頭) 鼻の痛みから復活した輪廻は、俺の独り言にいちいち反応する (………んじゃ校長は?) 「とおおおおおおおおおおぅ!」 輪廻に聞き返した瞬間、ふざけた奇声と共に舞台の上から降って来る人影 (小学生!?) それがそいつの第一印象だった サイドアップポニーと言うのだろうか? 髪を頭の横で髪を纏めて、腰の辺りまで垂らしてある 釣り目ぎみの大きな目に、可愛らしい童顔 どう頑張って見ても中学一年くらいにしか見えない女の子が降ってきたのだ 「くわーはっはっは。どうだ、この我輩の華麗な登場に驚いてぐぅの音も出んか、わーはっはっはっはー」 「………恋歌、みんな引いてますよ」 輪廻が教頭と言ったお爺さんは、落ち着いた感じの女性の声で小学生を諌める って、あの爺さんの声おかしくね? 「若い物んが何をいっとるかー!! 根性が足らん!! 不測の事態に対応する応用力を身につけやがれー!!」 「はぁ、学期が始まって早々これか……」 と入学式の挨拶で口喧嘩を開始する小学生と教頭(と言うか、小学生の方が一方的に奇声を発しているだけだが) 「……………な、何だあの小学生?」 自然に口からそう出ていた
/507ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6087人が本棚に入れています
本棚に追加