日常が非日常に∑

2/13
前へ
/13ページ
次へ
綺麗に透き通った空。 その空の下で一人の少年が全力疾走中である。 逆立った髪の毛からは彼の足の速さが伺える。 その後ろからは沢山の人達の罵倒しながら走ってくる姿が伺える。 「まてぇ。この裏切り者。」 「なまじ足が速いからっていつまでも逃げれると思うなよ。」 「親殺しなんて生きる価値ないわよ。」 追われてる少年、海馬俊哉(カイバシュンヤ)は溢れる涙を拭いながらも走り続ける。 親父、おふくろ守れなくてごめん。 俺に力があれば死ななくてすんだのに。 心の中で誰にも聞こえない謝罪を繰り返し続ける。 止めどなく溢れる涙。 張り裂けそうな心。 そして押し潰されそうな罪悪感。 それから逃げるように転移魔法を使ってた。 本来は魔方陣を書いて使うものだが、今は魔方陣を書いている暇はないから呪文だけだ。 それが俺の人生を180°変えるとは思わなかったけれど。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加