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綺麗に透き通った空。
その空の下で一人の少年が全力疾走中である。
逆立った髪の毛からは彼の足の速さが伺える。
その後ろからは沢山の人達の罵倒しながら走ってくる姿が伺える。
「まてぇ。この裏切り者。」
「なまじ足が速いからっていつまでも逃げれると思うなよ。」
「親殺しなんて生きる価値ないわよ。」
追われてる少年、海馬俊哉(カイバシュンヤ)は溢れる涙を拭いながらも走り続ける。
親父、おふくろ守れなくてごめん。
俺に力があれば死ななくてすんだのに。
心の中で誰にも聞こえない謝罪を繰り返し続ける。
止めどなく溢れる涙。
張り裂けそうな心。
そして押し潰されそうな罪悪感。
それから逃げるように転移魔法を使ってた。
本来は魔方陣を書いて使うものだが、今は魔方陣を書いている暇はないから呪文だけだ。
それが俺の人生を180°変えるとは思わなかったけれど。
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