説2 ‐城下の港町に住む漁師の話から‐

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その龍は一際高い声で啼いたのだ その悲痛な嘆きを含んだ声音と 一筋の緋色の雫が頬を伝い堕ちた その戦士は思わず剣を落とし 龍に語りかけた── 「暗黒の箱庭に住う龍よ── そなたは時という暗黒に閉ざされ 孤独という焔を纏ってしまっただけなのだろうか… もしそうならばその苦しみから 解き放つ事が出来れば 暗黒の龍と呼ばれる事も無くなると言うのか…」
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