‐終章‐

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古き時代より語り継がれてきた 『暗黒の箱庭に棲まう龍の伝説』と それを元に創られた楽曲『龍ノ啼ク箱庭拠リ』 しかしながらこの時の王の話、 そして七人の龍の遣いの末路については 今現在の所は全くの不明である。 またその『龍ノ啼ク箱庭拠リ』を生み出した彼の国は 伝記と人伝えによれば件の戦争によって滅びてしまったらしい。 だが不思議な事に すべてが大破してしまった中、『龍ノ啼ク箱庭拠リ』の詩が刻まれた城壁の一部だけはひび一つ入ることなく遺っており、 その城壁は今もなお崩れる事なく国跡にひっそりと 佇んでいるという――― まるで閉ざされた箱庭と化した国を護る墓碑の如くに―― 最後にその『龍ノ啼ク箱庭拠リ』の詩を書き綴って この手記を閉じることとする。
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