‐終章‐

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~龍ノ啼ク箱庭拠リ~ 夜の帳下りて 月が舞台 照らす 私は一人踊るの これは影の叙事詩 誰も知らぬ物語(テイル) 語られることなき 記憶 今宵拝跪(はいき)す 地の徒(と)が為 龍刻(りゅうこく)縛(ばく)す 意思の暗闇(やみ) 深淵(ふか)く根を張り 閉ざされた森の中 息潜め待つ 絡まる蔦断ち 楔外(と)る 意味を 知りて 茨草喰い込む 身体抱(いだ)き昇る 災う力解けせど 遠く龍啼く空 届かぬ声重ね いつか 碧空に帰らん 此の身体(み)回紆(かいう)す 血の軌跡を 准(なぞ)り蠢く 其の鼓動(おと)は 深淵(ふか)くへ潜み 私の中で彼方(あなた) 息潜め待つ 戒められし身体 羨望(のぞ)む 意思(もの)の 宿命(さだめ) 暗き泉の淵 月が水面 照らす 私の姿映るわ 今宵流れるのは 誰も知らぬ円舞曲(ワルツ) 歌われることなき 旋律(メロディ) 原始の記憶 誘う彼の地を想い 煌く星達 彩る天空(そら)は遠く 龍啼く 箱庭の中 吐息は灼熱の焔(ほむら)を 喚びて 深き森の最奥(おく)で 独り彷徨う日々 道標(みち)は見えると信じて 翼の戒めに 秘められし存在 制し空へ帰らんと 双頭の龍舞う 遥かなる彼の地は 古拠り変わらずに 月が紅く染まる 約束の其の日を 恋焦がれ(こがれ)焼けた涙 頬を伝い堕ちる 茨草喰い込む 身体抱(いだ)き昇る 災う力解(と)けせど 遠く龍啼く空 届かぬ声重ね いつか 碧空に帰る日 想い 祈る
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