桜の木と男の子

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清潔感のある白いフード付きのニットのカーディガンに黒いスキニーパンツ。 それにオシャレなスニーカーを履いる。 細身で、180cm近くあるであろう長身によく似合っていた。 かぶったフードから除く顔は小さく端正で、男らしくてどこか優しそうな顔立ちだった。 「へ?」 僕は状況が掴めず間抜けに聞き返してしまった。 「俺の名前は裕翔。君を自由にするためにここへ来た。」 フードを脱いでにっこり笑う。 「え…あ、いや。」 いきなりすぎて言葉が出ない。 「ふふっ」 「何笑って…」 言おうとした次の瞬間顎を掴まれた。 「かわいいね…。」 「ちょっ…離してよ///」 首を振って手を払いのける。 「うん。やっぱりかわいいよ君は。」 「え…//?」 満足そうにポケットに手を突っ込んで笑う君を見つめる。 「ずっと会いたかったよ」 突然真剣な眼差しで見つめながらそんなことを言う。 「///まじ…意味わかんない。ねぇ裕翔くんは一体何者なの!?」 僕が混乱していると裕翔くんに手を握られた。 そのまま桜の木の前まで連れていかれる。 「大丈夫。俺が自由にしてあげる。」 ふっと笑ったかと思うと僕をひょいと持ち上げる君。 お姫様抱っことか何事だよ!!! 「ちょっと待って!降ろしてっ!」 そんなことを言っているうちに裕翔くんはバルコニーの手すりに僕を抱えたまま飛び乗る。 「しっかり掴まって。落ちないでよ。」 そう言われるままに首に手を回し抱き着くと そのまま木の枝を蹴って裕翔くんと僕は地面に降りた。
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