第一章

10/16
前へ
/16ページ
次へ
新「……え、?」 瑠「どーした?」 な…なんか身体が熱い… 新「や…やっぱりあれ変なもんだったんだ…!」 首を傾げてる瑠樺さんをよそに、俺は気を失った。 新「……………あれ?」 失ったと思ったのに、意識はちゃんとしてる。 …目の前真っ暗だけど。 新「し…しかもなんか重いし…!」 瑠「おーい?」 新「る、瑠樺さん…?」 瑠「あ?」 どこからか瑠樺さんの声がする。 どうやらどっかへ飛んだ訳ではないらしいけど… 新「こ…この上のやつ取ってくんね…?」 瑠「人に頼むときはお願いしますだろーが。」 新「お…お願いします…」 何なんだこの人…! や、人じゃないのかもしれないけど…。 俺の上に乗っていた何かを瑠樺さんに取ってもらって、更に驚愕した。 新「な…なんか瑠樺さんでっかくなってない…!?」 瑠樺さんだけじゃない、周りの物は全部大きくなってる… 瑠「…アリスって馬鹿なの?」 新「ばっ、馬鹿じゃねえしっ!そして俺はアリスじゃないっ!新弥だっ!!」 瑠「…にーや?」 新「そう新弥っ!!だからもうアリスって呼ぶなよ!?」 瑠「えー…」 不服そうに俺をつまみ上げる瑠樺さんに寒気がして身体を震わせた。 新「な…なんで裸なんだよおおおっ!!!!!」 瑠「テメェがちっさくなったからだろうが。」 新「え…?」 さも当たり前かのようにそう言った瑠樺さんの掌に乗せられて、面倒臭そうに溜息を吐かれて身体が強張った。 瑠「だから、おめーがちっさくなったの。あのパン食ったからな。」 新「は…はあ…って!とにかく降ろしてよ!!」 瑠「なんで?」 でっかい瑠樺さんのにんまりした口に食われそうな気がして、怖い。 新「え、あ、こ、怖いから!!俺高所恐怖症で…!」 瑠「こーしょ…?」 新「た、高いとこが怖いの!!」 瑠「っおいテメェ!!」 渋々といったように瑠樺さんの掌から降ろされた瞬間、俺はあの小さな、今はぴったり通れる扉から逃げた。 瑠「……勃った」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加