第一章

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新「……暇なんだけど…」 ぼうっと待っているだけだとなんか落ち着かない。 何か手伝えることはないかと準備室へと向かったら、中から途切れ途切れに声がした。 「………でも……」 「……本くら……いじょうぶ…」 「…も……女王が……」 新「あ…あのお…?」 「っっはい!!!!!どどどどうしたアリス!?」 思いきって声をかけてみれば、親方の焦ったような声が返ってきた。 新「や…なにか手伝えることあるかと…」 「だだだ大丈夫さ!!アリスは待っててくんな!!ささっ!アリスはあの梯子の上で!!」 新「はあ…」 親方に背中を押され、渋々梯子を上って机へと乗る。 しばらく待っていれば、黄泉と親方が服を引っ張ってきた。 黄「ささっ!!アリスの服だよ!!」 新「…でかくない…?」 黄「そんなことないよ!!ささっ試着室へ!!」 黄泉に押されて、教室の角に設置されたカーテンに仕切られた試着室へと入る。 黄「着替えたら呼んでねー!!」 シャッとカーテンが閉められて、鏡を見て溜息を吐いた。 新「…裸のままでいるわけにもいかないし…って、」 よくよくみればその服は赤いエプロンドレスだった。 …女物の下着や黒い靴まである… 新「絶対人違いだってばあ…」 泣きそうになりながら、恐る恐る靴を履いてみたら。 新「っうぇぇえっ!?」 でかかった(いや、普通の人ならぴったりなんだろうけど…)靴がぴったりのサイズになった。
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