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「どうした?今頃になって育ての親の顔が懐かしくなったか?」
くくく、と愉快気に笑いながら尋ねてくる彼女は、右手のそれをまるでゴミのように投げ捨てる。しかし、そんな言葉にも関わらずその目は全く笑っておらず、ルシファがここに来た真意を探ろうと息を潜めている。
そんな彼女を見つめ、彼は一瞬だけその顔を暗くし―――何事もなかったように答えた。
「約束を果たしに来たんです。八年前、貴女が最後に僕と交わした、約束を……」
「……約束?」
「ええ、約束です。」
聞き返された言葉に、一つ頷きを返しながら、彼はそう言葉を切る。そして―――
「サキュバス、アスモ=ヴァリアント。貴女を、排除します。」
―――そう告げた。
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