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「ヒっツジくーん、あーそびま「嫌」
「や、あの、せめ「嫌」
「ヒツジさん、せめて最後まで言わ「嫌」
「・・・・・・」
問答無用の切り返しに朝からマジで涙ぐむ男子生徒一名。
それを見ることすらしてあげない男子生徒一名。
痛い沈黙に堪えきれず先に根を上げたのは前者。
「ふぇぇ・・・ちょっとみんなー、ヒツジ君がボクを虐めるよ~」
「良かったね~、オジカ君。返事してもらえて」
「昨日は返事すらしてもらえなくて、自暴自棄になって教頭のヅラ取りに職員室にまで行ったもんな」
「え!?アレ地毛じゃねぇの!昨日の放課後は髪あったよ」
「結局取れなかったからね」
「取れないでしょ、そりゃ。だってアレヅラじゃなくてエアコンだもん」
『・・・・・?』
『エアコン?』
「あ、間違った。ヘアコンよ、ヘアコン」
「あ!それ知ってる!!アレだろアレ、こう髪の毛の量を自由自在にコントロー」ベショ
「ヘアコントロールの略じゃねぇー!!つうかヘアコントロールって何だ!ヘアコンタクトに決まってんだろーが!死ね」
「お、ヒツジが起きた。っていうか、オジカを殴った」
「良かったねオジカ君、相手してもっらて」
「なんかよく分かんないけど取り敢えずオメデトウ!」
「でさ、教頭がヅラからヘアコンに変えた理由ってのがキャンプファイヤーで」
「まだ教頭のヅラ話続けんのかよ!」
「え?ダメ?じゃぁ・・・ヘアコンは特殊溶液を使わないと取れません。間違っても無理やり引っ張らないでネ!頭皮痛いから・・・たぶん」
「結局ズラの話しか!」
「なっ、失敬な!これは【教頭のズラ話】じゃなくて【みんなのズラ話】だよ!!」
「どっちもほとんど同じだから!!」
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