1.ヅラヅラうるせぇ!

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「ヒっツジくーん、あーそびま「嫌」 「や、あの、せめ「嫌」 「ヒツジさん、せめて最後まで言わ「嫌」 「・・・・・・」 問答無用の切り返しに朝からマジで涙ぐむ男子生徒一名。 それを見ることすらしてあげない男子生徒一名。 痛い沈黙に堪えきれず先に根を上げたのは前者。 「ふぇぇ・・・ちょっとみんなー、ヒツジ君がボクを虐めるよ~」 「良かったね~、オジカ君。返事してもらえて」 「昨日は返事すらしてもらえなくて、自暴自棄になって教頭のヅラ取りに職員室にまで行ったもんな」 「え!?アレ地毛じゃねぇの!昨日の放課後は髪あったよ」 「結局取れなかったからね」 「取れないでしょ、そりゃ。だってアレヅラじゃなくてエアコンだもん」 『・・・・・?』 『エアコン?』 「あ、間違った。ヘアコンよ、ヘアコン」 「あ!それ知ってる!!アレだろアレ、こう髪の毛の量を自由自在にコントロー」ベショ 「ヘアコントロールの略じゃねぇー!!つうかヘアコントロールって何だ!ヘアコンタクトに決まってんだろーが!死ね」 「お、ヒツジが起きた。っていうか、オジカを殴った」 「良かったねオジカ君、相手してもっらて」 「なんかよく分かんないけど取り敢えずオメデトウ!」 「でさ、教頭がヅラからヘアコンに変えた理由ってのがキャンプファイヤーで」 「まだ教頭のヅラ話続けんのかよ!」 「え?ダメ?じゃぁ・・・ヘアコンは特殊溶液を使わないと取れません。間違っても無理やり引っ張らないでネ!頭皮痛いから・・・たぶん」 「結局ズラの話しか!」 「なっ、失敬な!これは【教頭のズラ話】じゃなくて【みんなのズラ話】だよ!!」 「どっちもほとんど同じだから!!」
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