『レンタル彼氏』

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『レンタル彼氏』

「父さん、オレバイト決まったんだ。 だから仕送りは良いから…だから…」 家には週一くらいで電話をかけてる。 大学生でいたかった。 やりたい事がある訳じゃない、 知りたい分野や研究も持って無い。 ただダラダラやってサークル入って、 …そう、ダラダラしたいだけだ。 俺の人生意味なんて無いのかも知れない。 何も持って無い自分が世の中にほっぽり出されるのが恐かった。 「生活費は稼ぐから学校には行かせて欲しい」 いや、無理だろう。 分かってる 「頑張るから」とか口からデマカセ言って時間を稼ぎたいだけなんだ。 「それで、何のバイトなんだ?飲食業??」 父さんから会話の流れとして当然、質問が返って来た。 「あ、いや…また かけ直すから」 言葉につまって電話をきった。 昨日ケータイに入って来た 変なサイトの 『レンタル彼氏』 に登録しましたなんて 言えねぇ →
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