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(Side:綺羅)
「ねえ…透君」
「…………何」
こっち見ろよ、こんにゃろ…。
カリカリとノートを走るシャーペンを見ながら、僕は結構…いやかなり苛々してた。
ねえ、アンタ僕のこと好きなんでしょ?その態度何なの?
なんて言えないから、意地悪してみる。こんなこと言ってどうするの、って声がどっかで聞こえた。
「僕さぁ…今すっ…ごくヤリたいの」
「………………」
「今ちょーど誰もいないし…。……ね、ヤラない?」
「………………」
言っておくけど、僕から誘うの透君が初めてなんだよ?
だって、ムカついたんだもん。
僕のこと好きなくせに、Hした後も平然としちゃってさ。僕は少し気にしたのに。初めてをもらった上に無理させちゃったって。
そこまで思って、ハッとした。
何これ…
何で僕が透君のこと気にしなきゃなんないの?
びっくりしながら透君を見たら、これまたびっくり。
「……へ…」
耳が真っ赤。
更にはシャーペン持つ手も真っ赤。顔は俯いてて分かんないけど、すっごい真っ赤。
う、わ…
うわ、うわ、うーわー…
何なのこれ。
すっごい可愛いんですけど。
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