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1幕
ライム・ノーツが持つ天軍への不満は、日に日に増していった。
ライムは優秀な将軍だった。
ノーツ王家の血筋だというコネを抜きにしても将軍に上るだけの実力はある。
そしてこの男には現天族国王が持っていない気高さがあった。
だからこそ安全な主軍から、前線で戦う副軍への異動願いを出したのだ。
7年前に軍属してから自分が王家であるということは意識しないつもりだった。
しかし、周りとしてみれば王族をただの軍人をして扱うわけにもいかない。
兵卒だったころの訓練はままごとの様に温く、昇格は他のものより断然早かった。
昇格に追い付くよう、ライムは必死で軍学を勉強した。
彼が訓練し指揮する軍は、変幻自在に動き、相手軍の隊列を乱すと言われている。
五千の兵で木刀での模擬戦をしたときに、彼に勝てるのは、副軍で実力1位と言われている、老練なラジルド将軍だけだった。
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