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ライムにしてみてもかわいい妹だが、戦場に出た以上女だとは思わないようにした。
いざ軍の危機になって、コハルを犠牲にして軍が助かるという状況になれば、この副官を殺す決断をするだろう。
「肝に銘じておきます。
しかし王様にも苦労しますわね。王自ら龍族の領地に攻め入るなんて。」
コハルは机から壁に視線を移し、壁に掛かった地図を見つめた。
動物の皮でできた大陸地図は、若干黒ずみ、乾燥で端が崩れている。
地図で見る大陸は3種類の色で分けられていた。
大陸の西に白色、東には青。
青の上三分の一は黒く塗られていて、
白に天、青に魔、黒に龍のマークがそれぞれ描かれている。
龍族を攻めるという事は、同時に魔族と戦う事でもあった。
魔族と龍族は相互援助関係にあり、龍族と天族の国境も魔族が警備しているからだ。
龍の国にも小規模とはいえ軍隊はあるが、もともと争いを好まない人々が集っている国だった。
そんな貧弱な国がこの戦乱の時代にまだ残っているのは、龍王の政治、外交力の賜物といえる。
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