青空へ飛ばした願い

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だからおまじないを聞いた瞬間から 空が晴れるのを待ちわびた。 青くて遠い 空に靴を蹴り上げる。 これでばあちゃんが笑ってくれる。 これで母さんと父さんが帰って来る。 やっほ、みたいな。 ちょっと渋滞しちゃった、みたいな。 そんなノリで帰って来る。 だから俺は 少しは大きくなったんだから、 しょうがないなぁ、 お土産で許したげるよ。 って遅い帰りを許してあげて。 ばあちゃんもそんな俺を見て笑って。 本気でそうなるって信じてた。 信じてた。 ・
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