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「池上勇太くん?」
団塊の世代ぐらいの年齢だろうか、ボサボサの白髪を右手で掻き上げ、覗き込むようにこちらを見ている男性に気付いた。
「あ、はい」
「思ったより若いなぁ大学生?」
「はぁ」
「代表をやってる棟方っちゅうもんや。今日はよろしくな!」
待ち合わせの場所から目的地まではそう遠くないそうで、ゆっくりと歩きながら会話を交わした。
「なんでまたボランティアなんかしようおもたん?」
ぶっきらぼうに話し掛けてくる棟方さんはまるでお父さんみたいだ。
「大学生がボランティアって変ですか?」
「知的障害者のボランティアは集まりにくいからな。」
「そんなんですか?今日は何人ぐらいですかね。」
「君を含めて2人や」
…。
予想以上の少なさに驚いた。
ボランティアをする事に参加人数は関係ない。
ただ、少し切ない気持ちになった。
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