叶えた二人の夢

30/35
前へ
/59ページ
次へ
眠りから覚め始めた俺の頭は、一つ一つ…。 昨日から抱いていた小さな疑問をまるでパズルのように繋げ合わせ、一つの大きな疑問を作り出していた。 そして、 その大きな疑問が頭に浮かび上がった瞬間、俺は玉さんが消えていった扉の向こうへと走っていき、 【玉さん?!玉さん仕事今、何やってんの?!】 そう、尋ねてしまっていた。 昨日、 俺と玉さんは雷オバチャンが潜む焼鳥屋で飯を食っていて…その時俺は、 車校で別れてから、自分に起きた全ての出来事を玉さんへと話していた。 だけど…。 反対に玉さんの“その後”を聞いた記憶が一切無い事に改めて気づく。 車校とはまるで変わった玉さんの出で立ちに、 まるで金持ちな女子大生が住むようなハイセンスな間取りだったマンション。 そして、 間違っても近所の商店街では売っていなさそうな、カーテンにベットカバーに絨毯に… 目に入る全ての映像が嫌でも“金”を俺に連想させていたから、
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8935人が本棚に入れています
本棚に追加