1話

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  「まぁ、私も最初はなかなか信じられなかったけどね」 「慣れちゃったか」 「うん、慣れちゃった」  10年もいればそうなるのだろうか。今は俄に信じがたいことだったが、それよりも気になることがあった。 「てことは、なんか魔法とかもあるのか?」  モンスターに襲われたら不味いんじゃないか、ということだ。確かに先ほどまで居た中腹では剣やら鎧やらスナイパーライフルやらで武装しているやつらはいたが、さっきの俺のようにモンスターに襲われることを考慮したうえでのあの用意なのだろうか。  剣、鎧、スナイパーライフルは置いておくとしても、そこにモンスターという標的対象がいる限り魔法というファンタジーな概念の可能性は捨てきれない。  黄泉だ死んだだモンスターだと言われたのだから、魔法があっても別段驚かないさ。 「うん、あるわよ。私も使えるし」 「はあああああ!?」  前言撤回、吃驚仰天だ。驚天動地といってもいい。そのイレギュラーはさっぱり予想していなかった。  いや、待てよと俺は顎に手を当てた。  俺が最初にリオと会った時、リオは俺を暴走したナイフ男からどうやって守った?  大の大人が突っ込んでくるのを、こんなちっこい幼女がどうにかできるか?  ならそこにファンタジー、つまり魔法の関与があってもおかしくはない。  そこについて聞こうと思った矢先、俺は視線の先にあらぬものを見た。いや、見えてしまったと言うべきだろうか。  
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