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俺は駆け出した。もう自棄だ。どうなるかなんて突っ込んでから考えよう。もう死んでるんだし、何を今更コワイものがあるっていうんだ。
苦笑を浮かべながら着いてきたリオが、俺と並走して言う。
「ね、もっかい肩車」
「はぁ、なんでまた」
「そっちのほうがカズミ、守りやすいの」
「……もう少し言葉を選んでもらったほうが、俺としては傷つかないんだけど」
軽く心にダメージを受けながらも走りながらリオをつまみ上げて、肩の上に乗せる。
ああ、ドラゴン様が完全にこっちを確認なさった。えらく大きい。おそらく、俺が今まで出会った生物の中で一番大きい。動物園のゾウさんよりデカいな。
「カズミ、そこ右!」
「あだだ、髪を引っ張るな髪を!」
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