2話

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  ☆ ☆ ☆   「幽霊になると、生理が止まるの」 「…………」  突然そんなことをぬかす目の前の幼女に、俺は唖然としていた。  およそ幼女の口からは語られることのない議題に、俺はどこで道を踏み間違えたのか必死で記憶を探る。  いや、おそらく俺の過ちではないと思うんだ。  確か最初の言葉は、こんな感じ。 『そういえば、おまえは寝てないのか?』  昨日ドラゴンとの壮絶な戦闘の後、俺は草原に寝転がってそのまま眠りについたのだった。ちなみに俺は対ドラゴンにおいて何もしていない。強いて言うならばリオを肩車していた程度で、ドラゴンの炎を防いだのも追い返したのもリオなのだから。  つまり何が言いたいのかと言うと、なぜ俺より疲れているはずのリオが、俺が起きた時に普通の顔をして座っているのかということ。  眠った様子が一切なかったので、そのような問いかけをしたわけだ。  そこで冒頭に戻る。はて、どこで道を間違えただろうか。そもそもその答えは俺の問いに相応しくないのではないか。  うんうん呻っていると、 「カズミ、聞いてる?」  リオが俺の顔を覗き込んでいた。10年ぶりに出会ったその顔に未だ慣れることができずにいた俺は驚きながらも「ああ聞いてる」と言った。嘘である。 「アレだろ、今日は女の子の日って話」 「ナニソレ」 「ありゃ」 「カズミ、ごまかしてる」  そっぽを向く。真っ直ぐな視線がとても視線が痛い。  
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