元カレ

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直接はちょっと恥ずかしいから小さめのメモ帳に、 「好きなんだけど。」 って、一言だけ書いて竜に渡した。 なかなか返事貰えなくて、もう無理だなぁって思ってた。 何も言われず、1日が過ぎてもう帰ろうと教室を出た時、後ろから誰かに呼び止められた。 「お~い。皆川、待てって。」 振り返ると、私を呼んでいたのは竜だった。 「何?」 ちょっと、ぶっきらぼうに言ってみたけど、内心はドキドキして竜の顔まともに見れなかった。 「あのさぁ、手紙ありがとうな。んで、俺さぁいいよ。ってか俺の方こそ、付き合ってって感じなんやけど。」 「えっ…。まぢ…」 「おぉ。」 「じゃぁ、お願いします。ってかありがとう。」 彼のあのはにかんだような笑顔で言われた、ちょっと格好つけた言葉がすごく優しくて、その場で私は泣いてしまった。 そばで泣いている私の頭を竜はポンッと軽く叩いて、 「なんで泣くの?」 と少し困ったような顔で言うと、 「じゃぁ、また明日な。」 と言って帰ってしまった。
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