『アイゼンフリューゲル』

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さて、今日の本。ガガガ文庫より『アイゼンフリューゲル』。 ハイファンタジー。 龍(翼龍)。 飛行機。 空。 スピード。 以上が好きな人にオススメです。 作者の虚淵玄さんといえば、重厚なガンアクションだったりサイバーSFだったりサイコホラーだったり王道伝記物だったりと、とにかく範囲が広くてすげぇ。しかも知識が深い。いや、どうなってんの。 さて、今作の内容ですが。 雲の上を龍が埋め尽くしていた時代。 大空に憧れ、知恵と勇気の限りを尽くし、遥か空へと、龍に挑み続けた男達の物語。 下らない国の思惑や、自身の過去と葛藤。 それら全てを地上に置き去りにして、男は今日も空を飛ぶ── ……と、何やら真面目な物語のようですが、虚淵さんの重厚かつスピード感溢れる描写が今回もガンガン使われていて、あっという間に引き付けられます。 ……つうか、堅苦しい話を抜きにして、要するにアレだよ、ロマンの話なんだよ! 何処までも高く。 何よりも速く。 空を飛ぶのに大義名分は必要ねぇ。 命を賭ける理由なんざ、この胸の高鳴りで十分だ── なんつうかこう、そう言った話。……ダメだ。今日は何時にもまして説明下手だ。 いやもう細かい話は抜きにして、とりあえずプロペラ機で龍にレースを挑む命知らず(スピードジャンキー)の生き様を見て欲しい……! 空と速さと飛行機は、何時までも少年の心をときめかせるロマンなんだから! ……まあ、もう少年ではないですが。でもこの胸の高鳴りはわかって欲しい。 うん。つうか『速く、高く、遠く』ってのは永遠に男の子のロマンだよね、やっぱり。
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