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教室の前まで来た葵はドアのところに貼ってある座席表を確認し、教室へと入る。
中にはもう多くの生徒がおり、すでに何人かに集まり駄弁っている者たちもちらほらいる。
葵は自分の席について鞄を置き、周りを眺める。
葵「(知っている人がいないのはやっぱり心細いよ。)」
と、周りを眺めながら思っていると、前の席の女の子が葵に声をかけてくる。
?「おは。私、三毛 椿[ミケ ツバキ]って言うの。これからよろしくね。」
ショートヘアーの元気のいい明るい女の子だ。
葵「私は、森鞍 葵[モリクラ アオイ]。こっちこそよろしくね、三毛さん。」
椿「かたいよ~。私のことは椿って呼んでよ。私も葵って呼ぶからさ。」
葵「うん。ねぇ、椿はどうして此処に入ったの?」
椿「私?行くとこ決まってなかったからさ、仲のいい友達二人が此処に行くって言うから、なら私もってね。」
葵「そうなんだ。じぁ、椿は偉いんだ?」
椿「いやいや。私ともう一人はこっちよ。」
そう言って、手で円を作る。
葵「エ!?椿ってお嬢様なの!?」
そうこの学校は上流階級の御子息は一定のお金を出せば特待生として入ることができる。
椿「一応ね。だからって変えないでね態度。別に私が偉い訳じゃないから。」
葵「うん。」
椿「ありがとう♪まだ時間あるし、私の友達も紹介しておくね。ちょうど同じクラスだし。」
そう言って葵の手を取り、窓側の方へ歩きだす。そこには、
?「明希何やってんだよ。本なんか読んでないで話でもしようぜ。」
周りよりも一際騒がしく明希と呼ばれる男子生徒にちょっかいを出している男子生徒がいる。明希と呼ばれた男子生徒は呼び掛けを無視し、黙って本を読んでいる。
?「なぁ~、俺今すげぇ~暇なんだよ。」
無視を無視し、話しかけている。
すると、明希は本から顔をあげ、顔を向け、
明「隆二相手なら椿にしてもらえ。」
それだけ言って読書を再会する。
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