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明「待たしたな。」
そう言って、声をかける。
隆「やっと来た。」
椿「お疲れ。」
葵「何処行ってたの?」
と、迎えられる。
悠「もう少し早く来ればディナーが食べれたのに。」
どうやら、口に合ったらしい。そんなことを考えていると、
晴「それでは、No.10の」
と、聞き覚えのある声と共にスポットライトが順番に光り出す。その先には次期社長やらなんやらが立っている。
晴「No.3の三毛コンチェルトの社長令嬢の椿様です。」
と、椿にスポットライトがあたり、椿は軽く頭を下げ、微笑みを浮かべる。
そして、次に
晴「No.2の黒石カンパニーの次期社長、隆二様です。」
隆二も同じように挨拶をしている。
すると、
雫「本当に私達は此処に居て良いのですか?」
隣にいる桜井先輩が耳打ちをしてくる。
明「良いから、此処にいる。」
答えを返すと、いきなり俺にライトが当たる。
晴「そして、こちらの方は本日のディナーを用意してくださった岡崎様です。」
は!?何も聞いてないぞ?隆二の方を見ると、必死に笑いを堪えている。よく見ると、
これを読めと書いてある紙を持っている。仕方無く声に出す。
明「本日のディナーを用意させていただきました、岡崎明希と申します。私の料理が皆様のお口に合えば光栄です。このような場を用意してくださった隆二様には感謝します。」
言い終わり、自分の言った台詞を思いだし、鳥肌がたつ。隆二なんか腹を抱えて笑っている。
周りは静かになる。そりゃ、いきなり俺なんかがシェフだって言えばこうなるはな。次に飛んでくる罵声に身構える。
が、飛んできたのは、
「君、うちで働かないか?」
「うちは〇百万出すぞ。」
「なら、うちは─────」
と、いう声が飛び交い騒がしくなる。こんなふうに言われるのは雇われる方からすればとても名誉な事だ。
普通なら。
明「俺を物扱いするんじゃねぇ!!」
俺を物のように扱う台詞、行動、目に耐えられず、叫んでしまう。
すると、一気にその場に沈黙が降りる。皆固まっている。
明「すいません、気分が悪いので部屋に帰らせてもらう。」
俺もこんな所に居たくないのでそう言って、ホールを出る。
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