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家、扉が開いている。
・・・。
目の前は言葉にできない光景。
一言で言うなら『赤』
そう、死体が転がっている。
僕は叫んだ。
『母さん!』
近づき、母さんの腹部に刺さっているサバイバルナイフの様なモノを引き抜いた。
『うっ・・・母さん・・・』
腹部は刺された後、トドメをさすかのようにえぐられていた。
例えるなら、赤い白子をミキサーにかけられた感じだ。
後ろで足音が聞こえた。
お姉ちゃんだ。
「何してるの?・・・」
一瞬の沈黙。
「・・・きゃ・・・ー・・・っ」
声にもならない叫び声をお姉ちゃんがあげた。
おもむろに携帯を取り出し電話しはじめたお姉ちゃん。
「今、・・・目の前で弟が母を殺しています。・・・助けて・・・」
えっ・・・と、思った。確かに、今の光景は僕がナイフを持ち、母さんを刺した後にも見える。
『違う。勘違いだ。僕は何もしていない。』
「来ないで!」
お姉ちゃんが叫ぶ。
『違う。僕は殺ってない。信じてくれよ。』
お姉ちゃんは何も言わず逃げていった。
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