一章

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「……………」 俺はゆっくりと横に移動した。 すると謎の生命体は凄い勢いで地面を滑っていた。 ……無視しよう。 「ただいま~」 とりあえず扉を閉めて、鍵をかけて、靴を脱いで家に入ろうとした。 が、何か足元が重い。 ゆっくりと見てみると、さっきの生命体が俺の足にしがみついていた。 「なっ………」 「皆都ぉ~」 ……なんか段々しがみつく力が強くなっているような…… 「なんでそんなことするのよ私今日皆都が帰ってくるって聞いたからバイトも学校も休んで一日中玄関で待っていたんだからね姉さんはとても心配で心配でいつも夜眠れなかったのに……」 もの凄いスピードで言葉が出ていたのでいい加減対応しなくてはならなくなった。 「何やってんだよ姉貴!!」 俺が怒鳴ると謎の生命体(だった)はようやく俺から離れて、凄く泣きそうな顔をしていた。 ……一応紹介しておかなくてはならない。 この生命体は坂下 咲<サカシタ サキ>。 ………俺の姉貴だ。
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